ポケットガイガーの出力をPCのマイク端子から入力すると、ノイズが混入して正しく計測出来ない場合があります。マイク端子がアースされておらず、PCやACアダプターのノイズが乗ってしまうためです。アースが不良で電気的に浮いていると、ケーブルがアンテナとなって電磁波を拾ってしまいます。
ノートPCではPC自体が電気的に浮いた状態となっているので、手で触れたりするだけでも静電容量が大きく変動してノイズになったり、人体がアンテナとなってノイズ混入の原因となりますし、充電時にはACアダプタの高調波ノイズが乗ってしまいます。
これは、iPhoneで使う場合にも起こり得ることだと思うのですが・・・。
(こんな感じ↓)
USBインターフェース
そこでノイズ対策ですが、USBオーディオ変換アダプタを利用して「ポケガ用USBインターフェース」を作りました。USB接続だとシールドで確実にアースをとることが出来ます。使用したのは PLANEX のPL-US35AP というものです。ポケガの出力をオーディオアダプタの入力に接続するだけです♪
(こんな感じ↓)
DC-DCコンバーターはアウトでした
ポケットガイガーの電源もUSBから供給するため、DC-DCコンバータを実装してみました。ポケットガイガーのオペアンプ(LCM662)の最大電源電圧は15V 16V。PINフォトダイオード(BPW34?)の最大逆電圧は30V。なのでオペアンプを焼かないよう14.8Vを供給しています。
(こんな感じ↓)
昇圧回路はノイズ源なので、ブリキでケースを作ってコンバータ基板を電磁シールドしています。
コンパクトな基板なので、USBオーディオアダプタのケースに収まります。
(黒いビニールテープが巻かれている部分がシールドボックス↓)
USB接続だと、ノートPCでもノイズが乗りません。電池交換不要で、使い勝手も抜群です(笑)
しかし、測定してみると…平滑が不十分なせいか(?) DC-DCコンバータのノイズが乗って(?)
ホワイトノイズが増大してしまいました。 ><;
放射線検出のための回路では、「どれだけノイズを抑えることができるか」が性能を左右するファクターなので、そこにノイズの発生源を組み込むというのは、ナンセンスだったかもしれません。オーディオマニアの友達が、真空管アンプのバイアス電源用に単一電池100個をハンダ付けして使っていたのを思い出しました!
ノイズ対策には電池が最強
というわけで電池に戻し、 「006P (2個直列=18V) + 三端子レギュレータ(14.8Vに降圧)」 という構成にしています。
電池をセンサーと同じシールドに収めるのがノイズ対策としては理想ですが、鉛遮蔽容器内での測定時に使い勝手が悪くなるのでケーブルで供給しています(オーディオ用のシールドケーブルを使い電源ラインと信号ラインを分離しています)。 PCのUSB端子に接続するとポケガへの電源供給がONとなり、未接続の場合はOFFとなるようフォトモスリレー(HSR312)でポケガへの電源供給をON/OFFしています。
(こんな感じ↓)
アース不良によるノイズが無くなり、PINフォトダイオードの逆電圧を大きくしたことでホワイトノイズも小さくなって、20~25%程感度が向上ました。使用した可変型三端子レギュレータ(LM317)が、ADJ端子にコンデンサを付けることでリプル(スイッチングノイズ)の除去率を改善できるものだったのも良かったかもしれません。
LM317は、入力電圧が設定電圧より小さくなっても「入力電圧-1.3V」の電圧(実測)を出力してくれるので、例えば電池電圧が6Vになっても10.7Vの電圧を供給でき、電池の節約になります(笑)
シンチレータを搭載してみる
次回は、CsI(Tl)シンチレータをポケガに搭載したので、レポートする予定です♪
(CsI(Tl)シンチレータ↓)
では、また♪
はじめまして。
ポケガのPC接続と、食品用放射線測定器についてとても興味があります。
自分はあまり電気に詳しくはないのですが、
新しい記事がアップされるのを楽しみにしていました。
理論に沿った改造で、どんどん進化していくので見ていてワクワクします。
Hideさん、はじめまして^^
読んでくださってうれしいです♪
>理論に沿った改造で、
いえいえ、試行錯誤の連続です。
なんとか、実用時間で食品の汚染を検出できるレベルまで
持って行きたいんですけど・・・
カメのような歩みです(笑)