ポケットガイガーをPCで使う。

 前回のPOSTでも紹介した低価格な線量計、ポケットガイガーfor iPhone を使ってみました。
とはいっても、iPhone を持ってないのでPCで使います(笑)


ジャック交換

ポケットガイガーの基板を見ると・・・
PINフォトダイオードと、オペアンプしか載ってません。検出信号をナマで出力し、iPhone 側でサンプリング処理していることが分かります。ってことは、iPhone用の4極ジャックを3極ジャックに交換するだけでPCでも使えるはず。なので、やってみました♪

3極ジャックは100均で売っていた物を使いました。ちゃんとシールドされていて、ノイズが乗りません(笑)
(これ↓)
3極ジャック

L,R をまとめてポケットガイガー基板の出力に接続します(元の配線をはずして取り換えるだけ)
(こんな感じ↓)
基板配線

(クリックで拡大↓)
3極ジャック配線


オーディオのプロパティーを確認する

 マイク入力がミュートされていたり、音量がゼロまで絞られているとポケットガイガーからPCへ信号出力が出来ないので、コントロールパネルの「サンドとオーディオデバイス」の「音声」タブにある、「音声録音」の「音量」設定を確認しておきます。

 例えば、私のデスクトップ環境(Windows-XP)で、PC本体のフロントパネルにあるマイク入力にポケットガイガーを接続したときは次のように設定しております。

(こんな感じ↓)
オーディオのプロパティー

マイクボリュームの調整

※ボリュームの調整は、PC によって異なります。あまり大きいと、宇宙線のように大きなエネルギーが入射した場合に、信号が振り切ってしまいます。あまり小さすぎても、微弱な信号を取り損ねてしまうかもしれません。後述する「GeigerViewer」の、閾値(TH)が 15002500~5000程度になるように、調整すると良いでしょう。

(大きな信号に振り切ってしまった状態↓)
BIG-PULSE


GeigerViewer

 信号をサンプリングして、波高によってトリガーをかけて放射線入射時の波形を観察したいので・・・
「GeigerViewer」なるソフトを書いてみました。(ダウンロードはこちら→ GeigerViewer 0.1β)
2011/11/17:バージョンUP ⇒ ポケットガイガーをPCで使う(その2)

ポケットガイガーに限らず、アナログ信号をマイク入力に接続すれば波形解析できます。
サンプリング周波数はdefaultでは96000Hzで、1画面幅が約10ms、補助線が1ms ピッチです。
(マイク入力には mikeo_410 さんの WaveIO2.dll を利用させていただいてます。)

    【使い方】

  1. 3極ジャックに交換したポケットガイガーをPCのマイク入力に接続し、電源をONにします。
  2. GeigerViewerを立ち上げます。
    (こんな感じ↓)
    スタート時
  3. 「Startボタン」をクリックすると、ノイズレベル計測(30秒)を開始します。
    (こんな感じ↓)
    ノイズ計測
  4. ノイズ計測が終わると検出閾値を計算し、検出動作を開始します。
    (こんな感じ↓)
    検出中
  5. 放射線信号をとらえると、波高分布が画面上段に表示されます。
    (こんな感じ↓)
    信号検出時
  6. この時、波形表示部をクリックするととらえた波形を表示できます。
    (とらえた波形はメモリ上に保存されているので、表示する波形をマウスホイールで選択できます。)
    (こんな感じ↓)
    波形表示
  7. アクシデントで不正な信号があった場合(電池切れとか、ポケットガイガーに大きな振動が加わったり)、「Removeボタン」をクリックすることで、その信号データを削除することが出来、cpm 値などは自動的に再計算されます。

長時間計測

 ポケットガイガー(for iPhone) の仕様を見ると、消費電流≒1mA となっています。006P(金色)の容量は900mAh ですのでかなり持ちます♪ 一晩かけて、室内の環境線量を計測してみました。

(こんな感じ↓ 画像をクリックすると拡大表示します)
13h計測結果

 ポケットガイガーの放射線検出率はあまり高くないので、低線量の計測には時間を要します。
でも、PCで使えば長時間連続して計測できるので統計的に有意なデータが取れそうです。
就寝中に計測すれば良いのですから(笑)


「GeigerViewer」は実験しながら仕様も決めずに書いているので・・・コードがぐっちゃぐちゃです(笑)
公開した実行ファイルにも、意味なく「Save」ボタンがついていたりします。お許しください m(_ _)m
今後、データのCSV形式でのデータ保存機能などを追加してゆく予定です。
欲しい機能などあればご意見お寄せ下さい♪

次回は、基準線源を作って、
「試料とセンサーの距離と検出値の関係について」
レポートしたいと思っています。

では、また♪

This entry was posted in 放射線測定. Bookmark the permalink.

3 Responses to ポケットガイガーをPCで使う。

  1. nakao says:

    初めまして。
    GeigerViewerをダウンロードさせていただきました。
    早速ですが、質問があります。
    ポケットガイガーの電源SWをONにした時とOFFにした時では、画面上の波形が明らかに変わるのでしょうか?
    私のポケットガイガーをpcのマイク端子に繋いでいますが。
    ポケットガイガーをON/OFFしてもほとんど違いがありません。
    もしかするとこのポケットガイガーは内部ノイズが少ないので、ポケットガイガーをON/OFFしてもノイズレベルはほとんど変化無いのでしょうか?

    pcで使うときは、ポケットガイガー内部でレベル設定しているR7(10kΩ)を、変えた方がいのでしょうか?

    ご多忙のおり恐れ入りますが、回答をいただけると幸いです。

    • supermab says:

      nakao さん、はじめまして^^
      ダウンロードありがとうございます♪

      >ポケットガイガーの電源SWをONにした時とOFFにした時・・・

      電源がOFFのときには、ほとんど波形が無い状態になります。
      ONなら、記事の画像中の「パルスの無い部分」のようなホワイトノイズが
      見えるはずです。

      考えられる事としては、
      1.配線が間違っている。
      2.マイク入力がミュートされているか、ボリュームが絞られている。

      で、
      1.についてですが、3極ジャックの根元(アース)を束ねてポケットガイガーの
      出力のアース側に。ジャックの先端と中央の配線を束ねてポケットガイガーの出力の
      信号側につなぎます。電源を切った状態でテスターなどで確認してください。
      (記事中に接続部の拡大写真を載せましたのでご覧ください)

      2.については、PCのコントロールパネルから、オーディオデバイスのプロパティーを
      確認してみてください。

  2. nakao says:

    早々の回答ありがとうございます。
    今までは、PCに繋ぐ3極ジャックの、先端だけをポケットガイガーの信号出力に繋いでいました。
    3極ジャックの真ん中と先端の両方を繋いで試してみます。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *